今週の1冊
2010年 06月 08日
「思い出袋」
鶴見 俊輔 著
岩波新書
哲学者、鶴見俊輔が生い立ちから87歳の現在に至るまで、
自らの歩んだ道を振り返り語り尽くしたエッセイ集。
80歳から7年にわたり綴った『図書』への連載「一月一話」をまとめたもの。
中でも、日本の学校教育に対する批判は痛烈痛快である。
以下,本文抜粋
日本の知識人の記憶は短い。これは明治以来の学校制度と結びつく。
①先生が問題を出す、
②正しい答えとは先生が出す答えだ,
大学まで進むとして、18年間自分で問題を作ることなく過ぎると、
・問題とは与えられるもの、
・その答えは先生が知っているもの、
という習慣が日本の知識人の性格となる。
要するに、毎年新しく出会う先生の答えをいち早く察知して答案を書くことが
知識人の習慣となってしまう。
日本の大学は、日本の国家ができてから国家がつくったもので、
国家が決めたことを正当化する傾向が強い。
当たり前のことと思うかもしれない。
しかし、ハーバード大学は1636年創立で、1776年のアメリカ建国よりもずっと早い。
大学が国家を創り上げていくという意識が、そこにはあった。
鶴見 俊輔 著
岩波新書
哲学者、鶴見俊輔が生い立ちから87歳の現在に至るまで、
自らの歩んだ道を振り返り語り尽くしたエッセイ集。
80歳から7年にわたり綴った『図書』への連載「一月一話」をまとめたもの。
中でも、日本の学校教育に対する批判は痛烈痛快である。
以下,本文抜粋
日本の知識人の記憶は短い。これは明治以来の学校制度と結びつく。
①先生が問題を出す、
②正しい答えとは先生が出す答えだ,
大学まで進むとして、18年間自分で問題を作ることなく過ぎると、
・問題とは与えられるもの、
・その答えは先生が知っているもの、
という習慣が日本の知識人の性格となる。
要するに、毎年新しく出会う先生の答えをいち早く察知して答案を書くことが
知識人の習慣となってしまう。
日本の大学は、日本の国家ができてから国家がつくったもので、
国家が決めたことを正当化する傾向が強い。
当たり前のことと思うかもしれない。
しかし、ハーバード大学は1636年創立で、1776年のアメリカ建国よりもずっと早い。
大学が国家を創り上げていくという意識が、そこにはあった。
by kai_today
| 2010-06-08 20:50
| 今週の1冊